スイミー
<スイミー>
ちいさな かしこい さかなの はなし
著者 :レオ=レオニ(作) 谷川 俊太郎(訳)
出版社 :好学社
作者レオ・レオニはグラフィック・デザイナー、画家、彫刻家として活動しながら、49歳から絵本作りを開始し、晩年まで絵本作家として作品を発表し続けました。
『スイミー』は1963年に発表された4冊目。世界中で翻訳され、日本では小学校の国語の教科書にも取り上げられ、幅広い世代に読まれる名作ですね。
懐かしく思う方もいらっしゃるかな、と思います。
わが家でも子どもの音読が聞こえてきますが、谷川俊太郎さんの、そのリズミカルな言葉の響き、美しいですね。
ちいさな主人公の知恵と勇気に導かれ、仲間のちいさな魚たちも力を合わせて大きな魚に立ち向かうお話。
赤い兄弟の中で一人だけ真っ黒。個性的であるがゆえの孤独。仲間を失ったことによる更なる孤独。だけど海の広大さ、世界の美しさ、様々な種類の魅力的な生き物たちとの出会い。新たな仲間達との協力と自分の個性、役割の認識。ちいさな主人公は大きく成長していきます。
困難から逃げずに向かう姿になんだか大人でも勇気付けられます。
淡い色彩豊かな水彩、スタンピングの赤い魚、レースを用いたわかめのはやし…工夫された様々な絵画の技法で描かれているので、絵画としての魅力、ページをめくるごとに感動がありますね。
この透明感。彩り豊かな海の世界を香りで表現するとしたら!
作品のイマジネーションを膨らませて、香りを想像しながら、重ねていきます。
どんな香りになるでしょうか。
三鷹まるごと絵本市に展示する予定です。当日をお楽しみに。
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